どーもtoshiです。
前回は、完璧主義という名の「自己防衛」を捨て、未完成のまま世に出す覚悟を持つ重要性についてお話ししました。マインドブロックが外れたところで、今回はその「未完成(60点)」の作品を最速で作り上げるための具体的なフレームワークをお伝えします。
それが、ITのシステム開発などで使われる「アジャイル(俊敏な)開発」の思考をコンテンツ制作に持ち込む手法です。
アジャイル制作で「MVP」を世に放つ
旧来のモノづくりは、企画からデザイン、細部の調整までをすべて終わらせてから最後にドカンと公開する「ウォーターフォール型」が主流でした。しかし、変化の激しい現代において、このやり方では市場に出した時にはすでにニーズが変わっているリスクがあります。
そこで今、個人のクリエイターが取り入れるべきなのがアジャイル型の制作手法です。 アジャイル型の最大の目的は、「MVP(Minimum Viable Product=実用最小限の製品)」を最速で作り上げること。コンテンツで言えば、「最低限、言いたいことが伝わる状態」まで持っていき、細部の装飾は無視してとにかく世に出してしまうやり方です。
作業時間を厳格に区切り、「強制終了」する
MVPを最速で作るための具体的なアクションは、「作業のタイムボックス化(時間制限)」です。
「納得がいくまでやる」というルールで動いていると、人は無限に時間を浪費します。文字の大きさを1ポイント変えたり、BGMの音量を数ミリ調整したりと、視聴者の99%が気づかない細部にこだわり始めてしまうからです。
これを防ぐために、「構成案の作成は30分」「動画のカット編集は1時間」「サムネイル作成は15分」と、工程ごとに厳格な制限時間を設けてください。そして、時間が来たらどれだけ不格好でも「強制終了」して次の工程に進むのです。
タイマーが鳴った時点で出来上がっているものが、今のあなたの実力における「60点」です。それ以上時間をかけても、自己満足の点数が上がるだけで市場価値は上がりません。
装飾を捨て、コアとなる「メッセージ」だけを尖らせる
時間が限られている中で60点のMVPを作るとなると、当然「やらないこと」を決める必要が出てきます。
ここで捨てるべきは、テロップの派手なアニメーション、凝ったアイキャッチ画像、気の利いた言い回しなどの「表面的な装飾」です。これらはすべて、後からいくらでも付け足すことができます。
あなたが限られた時間の中で全神経を集中させるべきは、ただ一つ。「この記事(動画)は、誰の、どんな悩みを解決するものなのか」というコアメッセージ(骨格)を尖らせることだけです。
骨格さえしっかりしていれば、見た目が少し不格好でも「この記事は役に立った」「この動画は面白かった」と評価されます。逆に、どれだけ装飾が美しくても、誰に向けたメッセージなのかがブレている作品は、1秒で離脱されてしまいます。
60点は手抜きではなく「高度な戦略」である
「60点で出すなんて、読者や視聴者に対して失礼ではないか」と感じるかもしれません。しかし、それは大きな勘違いです。
60点で最速リリースすることは、決して手抜きではありません。「自分よがりな100点を押し付けるのをやめ、市場のリアルな声を聞いて答え合わせをするための、最も誠実で高度な戦略」なのです。
レストランに例えるなら、厨房で何日もかけて完成させた見ず知らずのフルコースをいきなり提供するのではなく、まずは試食用の小皿(MVP)を出して「塩加減はどうですか?」と客の反応をうかがうようなものです。
まずは、あなたの手元にある「60点の試作品」を、思い切って市場という名のテーブルに並べてみてください。
次回(第3回)は、いざ作品を世に出した後に待ち受ける残酷な現実とその乗り越え方。「誰もあなたの作品など見ていない。『大スベり』を貴重なデータに変える思考法」について解説します。公開後の無風状態をどうポジティブな戦略に変換するかをお伝えしますので、ぜひ楽しみにしていてください。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
